2012年1月12日木曜日

祝日続きの終わり、の巻


クリスマスから始まり、大みそか・エピファニアというイタリア特有のお祭りを最後に祝日が終わり、元の生活に戻ってきた。

イタリアではもともと宗教的な祝日以外は休みが少ないため(結構イタリア人は仕事をしてなさそうな印象があるが、結構日本のほうが休みは多いほうだと思う)年末・年始に3回ビッグイベントが重なるこの時期は、自営をしている私にとっても少しだけ休めるということで嬉しい限り。

ただ今回のヨーロッパ経済危機で、イタリアのモンティ首相はすでに

「祝日数の縮小!イタリアーニ!(=イタリア人よ!)バリバリ働きましょう!」

と宣言している。

どっちかっていうとお前ら政治家が働けよッ!と言いたいところだが。



イタリアの大みそかは、日本以外の大多数の国同様、わあーーっ!1年終わったね、ユフー(=外人の奇声)しゅぽーーん(=シャンパンを開ける)、である。

フィレンツェではここ数年、町のいたるところでさまざまはコンサート(クラシック・ポップ・ゴスペラからラップまで)が行われ、0時の鐘とともにシャンパン(イタリアではスプマンテ)を飲み、その飲み干した瓶を道端にバリンと割って知らん顔をして家路につくというのが、基本的なイタリア人の振る舞いである。

一度大みそかにフィレンツェの街中で過ごしたら、道沿いに小さいテーブルを出して、スプマンテを違法で売っている奴がいてびっくりした。確かに最後の最後で「フィレンツェいこっか」となり、あ、そういえば祝杯を挙げるお酒がないね(31日は店は大抵18時ごろには閉店する)という場合も多々あるし、友達の数が多くてすぐ瓶が開いてしまって次のを買おうとする、という場合もあるわけだし。

それにしても、雨が降り出すとすぐに傘を売り出す外国人と同じだわ。



大みそか、元旦をすぎ、イタリアでは2日からすぐに毎日の生活に戻る。あれ、新年開けたっけ?という気になるときも多々ある。それを考えると、あの日本の厳粛な元旦が懐かしい。

さて、そろそろ学校も始まるか、というころ、1月6日にベファーナばあさんがやって来る。ベファーナばあさんといっても、うちの親戚のおばさんとかそういうんではない。

ベファーナ(正式にはエピファニア)という祭りは、イタリア独自の祭りで、非常に古いお祭りである。

昔は日本と同じように、イタリアでもサンタクロースというものがなく(戦後にアメリカから入ってきたと思われる)、プレゼントをサンタが届けに来るという概念自体がなかった。

それというのも、イタリアにはこの「ベファーナばあさん」というばあさんがいて、このほうきに乗ってやって来るひどいぼろを着た魔女のようなおばあさんが、1年間いい子にしていた子には甘いものを、悪いことをしていた子には炭や玉ねぎを持ってくるからなのである。もともと、イタリアの子供がプレゼントらしいものをもらえる日というのが、この1月6日だったのである。

この魔女のような様相をしたベファーナがプレゼントの甘いお菓子を入れるのは、なんと靴下のなかである。なんとなくサンタクロースに似ている・・。

イタリアではベファーナは子供に非常に愛されている祭りで、この日に街に出かけると、このベファーナに変装したおばさん(たまにおじさんのこともある!)がお菓子を配っていたりして、子供たちが嬉しそうに列に並んでいるのがみられる。

ベファーナの前にはうちに来るお客さんたちも、お孫さんのためにあげるベファーナの靴下に入れるみかんや玉ねぎを買いに来る。

「甘いお菓子ばかりだと虫歯にもなるし、少しくらい玉ねぎやニンニクを入れてやったほうがいいのよ!」と言うおばあちゃんも多い。



ベファーナがクリスマスから始まる一連の祭りの最後にあたることと、ほうきに乗ってやってくることから、ベファーナが通ると連日のお祭りを掃き取っていく、と言われている。ベファーナの終わりで、さあ、新年の始まりだ!という気持ちになったりするのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿